「たいして食べていないのに、太ってしまう」「水を飲んでも太る」という人は認めたがらないものだが、一日に消費するエネルギー以上のものを摂取しなければ、決して肥満が起こることはない。
どのようなケースであれ、消費分を超えて過食したからこそ、脂肪が蓄積したのである。
したがって、これまでの食生活を改め、必要に応じて一日の食事量を設定することが第一の課題となる。
一日何キロカロリー以下と数値を割り出し、一日に口に入れる食べ物、飲み物すべてをそのなかに収め、過剰な体脂肪が消費エネルギーにまわされるようにするということだ。
体脂肪を減らし、肥満を解消する治療法の主体は、この食事療法である。
一般には月に0.5〜1キロずつ減量し、時間をかけて無理のないように進めていく。
そして、同時に、太る原因となっていた栄養のとりすぎ行動を修正する行動療法と、食事療法の効果を高める運動療法をあわせておこなう。
食事療法のみでは、せっかく体重が落ちても、2、3か月でそれ以上減らなくなり、挫折しやすい。
肝心の脂肪量を確実に減らすためにも、運動療法は重要である。
つまり、体脂肪を減らす方法とは、ほかでもない。
いつのまにか陥っていた悪習から脱け出し、セルフコントロールによって健康的な生活スタイルを取り戻すことである。
簡潔にいえば、設定した摂取エネルギー量のなかで、栄養素のバランスのとれた食事を規則正しくとり、間食やまとめ食い、好き嫌いなどを改め、日常のなかに運動を取り入れるということだ。
また、このとき、体重計と体脂肪計を使って、最初の一か月目には3キロ、二か月目には4キロ、三か月目には5キロというように、目標を決めて実行するとよい。
たしかに生活スタイルを改めるのは困難だと思われるかもしれない。
しかし、体脂肪の怖さは前章でも記したとおりであり、一大決心をする必要性があることは、すでに十分ご理解いただけたことだろう。
行動に移すことをためらっているあいだにも、体脂肪は確実に蓄積し、体を蝕んでいく。
肥満対策は「ちょっと太ってきたかな」と思った時点で始めても、決して早い対応とは呼べない。
落とす脂肪が増えれば増えるほど、それを減らすことが難しくなるのは、もはやいうまでもないだろう。
食事療法をおこなううえでもっとも注意したいことは、現在、巷にあふれている誤ったダイエット法に惑わされないことである。
身体のことを考えておこなった減量によって、反対に健康を損なうようでは元も子もない。
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